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二七〇 貪欲(とんよく)と嫌悪(けんお)はいかなる原因から生ずるのであるか。好きと嫌いと身の毛のよだつこと(戦慄)とはどこから生ずるのであるか。諸々の妄想はどこから起こって、心を投げ打つのであるか?――あたかもこどもらが烏を投げ捨てるように。
二七一 貪欲と嫌悪とは自身から生ずる。好きと嫌いと身の毛のよだつこととは、自身から生ずる。諸々の妄想は、自身から生じて心を投げ打つ、――あたかもこどもらが烏を投げ捨てるように。
二七二 それらは愛執から起り、自身から現われる。あたかも榕樹(パニヤン)の新しい若木が枝から生ずるようなものである。それらが、ひろく諸々の欲望に執着していることは、譬え場ば、蔓草が林の中にはびこっているようなものである。
二七三 神霊よ、聞け。それらの煩悩がいかなる原因にもとづいて起こるかを知る人々は、煩悩を除きさる。かれらは、渡りがたく、未だかつて渡った人のいないこの激流を渡り、もはや再び生存を受けることがない。